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*「不特定多数が書き込める掲示板は大学には不要」?

■はじめに

表題にもある通り、今回、オーマイニュース上に掲載された記事内において、「不特定多数が書き込める掲示板は大学には不要」論が、真摯な疑問として提出されています。

これを受け、「荒れないニュース掲示板」として有名なgooニュース畑を、この疑問に対する一般の方々への意見交換の場として選んだところ、1.一般の方々は本件を知らないだけでなく関心もそれほどないためか、実際の事実とは異なる掲示板(例としては2ちゃんねるのような)をあらかじめ想定してしまったためあらぬ方向に論議が進みかねず、2.goo編集部が事実を説明した関係者(=大串)の投稿をさえ「荒れる」と判断して一部割愛するということが実際に生じただけでなく、3.不明の事由により、異例なこととして既にコメントの受付が締め切られてしまいました(例えばこちらの質問と開催期間を比較)。

こうした状況が進展する中、当事者のお一人である天羽氏ご本人より本件の仕切り直しのご提案をいただいただけでなく、亀@渋研X様のブログエントリー追記エントリーにおいてかなり興味深いコメントをいただきましたので、ここに再び、今回の「不特定多数が書き込める掲示板は大学には不要」という真摯な疑問に対する論議を、関係者の皆様はもちろん本件を見守る皆様にも自由に行なっていただければ幸いです。

なお、このエントリーへのコメントはそのまままとめて記事とさせていただければとも考えています。皆様の忌憚のないご意見ご感想を、どうぞよろしくお願いいたします。


■ご注意
前にもご説明済みなのですが、このエキサイトブログ無料版にはIPアドレスや投稿HNによるフィルタリング機能がありません。コメントをしてくださる方々のIPアドレス等も残りません。結果として、最大限の自由な発言の場となっているものの、どういう結果になるかは今のところ当方にも不透明な状態です。どうぞご了承ください。なお、トラックバックを飛ばして「ご参加」くださるのも大歓迎です。


■論議の前提(gooニュース畑より
大学の研究所等(つまり大学のサイト内)の不特定多数が書き込める掲示板において、一番望ましいのは次のうちのどの状態だと思われますか? 一番望ましくないのはどの状態でしょうか?

1.現状のまま。つまり規制なし。何事も自然淘汰に任せる。
これは文字通り「現状のまま」ということです。「規制なし」というのは「大学のサイトへの掲示板の設置に関してなんら規制をしない」ということになります。したがって「何事も自然淘汰に任せる」とは「目的に沿った運営ができているか随時点検し、問題があれば是正し、十分な管理が出来ない時は一時休止し、運営方法を再検討し再開する」という感じです。管理者がいても事実上管理がなされていない、という意味ではありません。

2.大学の研究者は特定商品や特定企業へのコメントを自主的に避けて、主に自分のブログでそれをする。つまり自主規制。
この場合の「自主規制」というのは、3.の「大学側の規制」の有無や程度に関わりなく、そうした内容のコメントをそのような掲示板では参加者が「自身の判断基準に照らして」自主的に控える、というものです。これは任意によるもので、当然研究者により判断が異なり、結果としてローカルルールとしての大枠しか存在しません。

3.大学側が規制を設けて管理し、大学の研究者はそれを尊重したコメントのみをする。つまり大学側の規制。
これは文字通り「大学側の規制」です。掲示板の管理人も発言者も「大学の規制」というローカルながら明確なルールなり権威なりに従うべきで、この場合は「大学はその発言に対して高度な注意義務を有する」ということになります。

4.「大学はその発言に対して高度な注意義務を有する影響力ある存在なのだから、不特定多数が書き込める掲示板を置くこと自体がそもそも間違っている」。
この意味するところは恐らく、大学が「不特定多数が書き込める掲示板を置く」こと自体を法が規制し法が禁じる、ということになるのでしょう。「不特定多数が書き込める掲示板」を設置することを含め、大学のあり方や大学の運営に関してさらなる法の規制が必要、という意見です。


■これまでの論議(PSJ渋谷研究所Xより)
(疑問1)「不特定多数」であるか否かは、多少リスクの大きさを変えるにしても、実は決定的な違いにはなり得ないのではないか。
(疑問2)「掲示板を置くことの是非」と読めるタイトル自体が、訴状に引きずられてミスリードを起こしていないか、大学のWebサイトでの双方向性のコントロールや、そこでの個人ページなどのあり方、つまりは管理運営方針こそが論点なのではないか。


■関連した諸々(gooニュース畑より
・大学が運営規則で動く
・掲示板は投稿ガイドラインで運用
・今回の訴訟の結果大学が免責されるなら、それが基準になる。

教員個人の意見は学外で発信するとした場合、業務の一部である教員個人の意見(大学ではこれが存在する)を、業務としてではなく完全に私人としてやれということになるため、別の不都合が生じる。同時に、私人としての意見表明がいかにトンデモであっても仕事には一切関係ない、という合意をとらなければ制度として筋が通らなくなる。

| 業務の一部である教員個人の意見
文字通りには、そんなものはないでしょうね。正確には「業務の一部である【教員として】の意見」があるだけです。

| 私人としての意見表明がいかにトンデモであっても仕事には一切関係ないがいかにトンデモであっても仕事には一切関係ない
これも【学外での】私人としての意見表明が…となるでしょう。学外と私人と二つ条件があります。

「大学の中の人」と「大学」とは区別されるべきです。

(一般論として)「大学の中の人」が学内規則に従ってやった結果として、「大学」が学外者に損害を発生させた場合、免責されるのは「大学の中の人」であって、「大学」ではありません。
逆に、学内の規則に従っていなかった場合は、その従っていなかった程度に応じて、「大学の中の人」により大きな責任があることになります。

学内規則は「大学」が作るものです。それで不都合が発生したのならば、それは「大学」の責任です。


追記分(1/4 0:40):

■ニセ科学批判批判派の主張(室井健亮の憂言記より)
1. 被告はニセ科学批判サイトを運営している大学である
2. 一般に書き込み人はサイトを運営する者(=大学)ではなく、単なる私人である
3. 私人と国立大学法人とでは(特に信憑性の観点から)対等とみなすことは不可能である
4. 書き込むことは書き込み人の権限で行われ、その書き込みを継続的に公開することは被告(=大学)の権限として行われる。今回の案件では、少なくとも削除要請を受けた以後の公開継続は被告(=大学)の権限によるものであって、被告の敗訴は確定的である。しかしながら、私人による書き込み行為そのものは、対抗言論法理が働く余地があり、免責される可能性が考えられる
5. 今回の案件の特殊事情として、書き込み自体がサイトの管理・運営の一貫として行われたということらしい。もしそうであるとすれば、継続公開のみならず、書き込み行為そのものも被告(=大学)によって行われたものだということになる
6. すなわち、名誉毀損行為の当事者はほぼ大学に限られるということである。したがって、書き込み人でなく大学を被告として原告が提訴をしたことは当然の対応であると言える
7. 今回の参加人の申し立てで「書き込み自体がサイトの管理・運営の一貫として行われた」という被告(=大学)が隠していた書き込みに関する使用者責任が明らかになった


追記分(1/4 23:15):

■用語およびその用法に関するお願い(kikulogより)
「非科学」という用語およびその用法に関して、次のような第三者のご意見が寄せられています。
「某氏以外は某氏が使っている意味で「非科学」という言葉を使わないほうが良いと思うんですがどうでしょう。某氏の用語「非科学」は一般用語ではないし、彼独自の用法ですし、彼と同じ用語を使っても読みやすくなる訳でもないと思うんですが」
それで、独自の用語を独自の用法で使用することにより、第三者に伝えたいと思っていることが伝わらない、ということのないよう、今回ご参加の皆様にお願いする次第です。


追記分(1/28 17:40):

重要なお知らせ:2008年1月24日付で、exiteブログにも素でコメントのIP拒否設定機能が実装されました。これに伴い、これまで付けていただいたコメントを確認したところ、室井健亮氏を騙っていると当方が判断した同一IPアドレスによるスパムコメントを全削除しました。どうぞご了承ください。 室井健亮様:貴殿の名を所々で使いながら、なおかつ「非ヤング」や「ふま」といったハンドルを使っていた人物は、当方が責任をもって確認し、アクセス禁止にしました。どうぞご安心ください。この人物は同一IPアドレスでのWikipediaの編集等により、ニセ科学批判に関する情報操作をしようとした疑いがあります。 吉岡様:例の「室井氏」はまず間違いなく、ニセ「室井氏」に違いありません。(予備)どうぞ騙されないでください。

#その後、こちらのエントリーに室井健亮氏ご本人からのトラックバックをいただいたのですが、謎解きのような文面のため、今回のニセ「室井氏」問題の真相は僕には全く分かりません。今回処理したスパムコメントはすべて単一の同一IPアドレスからのものであり、室井氏の名前を使いながら「非ヤング」や「ふま」その他のHNで行なわれたその書き込みは、ひとり室井氏の名誉を損なうものだけでなく、そのニセ「室井氏」の相手をさせられたapj氏と、そのやり取りを真に受けてしまっている吉岡氏とを愚弄する行為であると僕は考えます

※この単一の同一IPアドレスによるニセ「室井氏」がどれほど多様なHNを駆使していたかについてはこちらを参考にされてください。


追記分(1/30 2:35):

その後、ある方から「以前のコメントを消してしまうのは如何なものか」というお話があり、第三者(この場合はGoogle)によるキャッシュを今回保存することにしました。お手数ですが、以前のコメントをご参照されたい方はどうぞこちらをご覧ください。
by tomihitooogushi | 2008-01-03 22:00 | オーマイニュース
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